カナダ(オカナガン州)の山で遭難しそうになった恐怖体験

Elena

あれは2012年のことでしたが、「あぁ、私はここで死ぬんだな」と
思った恐怖体験を11年後の今日、語りたいと思います。

目次

イギリスの会社を辞めた後、日本に戻る前にカナダの友人に会いに行った

2012年、色々ありましてイギリスで勤務していた会社を辞めました。当時、イギリスからカナダの航空運賃が意外と安いので、ロンドン→カルガリーに飛びました。

当時バンフ在住だった友人夫婦(日本人)がカルガリー空港まで車で迎えに来てくれて、雄大なロッキー山脈に感動を覚えながらバンフの自宅まで移動したことを今でも鮮明に覚えています。

しばらくバンフに滞在した後、友人夫婦が準備してくれていた釣りキャンプ(キャンプしながら釣り三昧)体験をするために、旦那様がジープを運転してオカナガン州へと向かいました。

私も釣り好きですが友人の旦那様は正真正銘の釣りキチガイ

友人の旦那様はカナダで釣りがしたいから、という理由でカナダに移住したほどの変態的に釣り好きと聞いていましたが、実際に会ってみて「うん、この人はホンモノだわ」と心底感心しました。

というのも、私の分までウエーダー・釣り竿・毛バリと、なんと1人乗りのゴムボートまで準備してくれていたからです!

Elena

ここまで準備してくれるなんて感激ですよね✨

レインボートラウトを釣るためにオカナガン州の湖に向かう

ジープに釣り道具やキャンプ道具を積んで、友人夫婦と私の計3名でオカナガン州の山に向かいました。

さすがカナダ、自然が雄大で、道中切り立った崖に住む野生のヤギや、野生のシカに出逢いました。それと、小熊2頭が道路脇に居たのも見ることができました。

バンフ周辺では5月末でもまだ山に雪が残っていて、トラウトを釣るには雪解け水で泥が巻き上げられるので釣りをするには向かないとのことで、もう少し暖かいオカナガン州の湖に行くことにしたそうです。

湖のほとりでテントを張るも熊が出ると知り恐れおののいた

名前は忘れましたが、オカナガン州の湖のほとりに車を停めてテントを張りました。その日は夕方に到着したので、キャンプファイヤーを囲んでキャンプ飯を楽しみました。

が、さぁ寝ようという段になって友人夫婦がかなりゴミを片付け始めました。通常よりもかなり厳重にゴミ袋の口を絞っていたので、不思議に思いどうしてそこまで厳重にするのか聞いてみました。

すると友人は平然と「熊対策だよ」と言うのです。熊がゴミの臭いを嗅ぎつけると、近寄ってきて荒らされるから臭いの元は徹底的に断つそうですが、私としては平気ではいられません。

Elena

熊!? 
熊がでるような場所でテント張って寝るんかい!!

と、私は相当焦りましたが「熊除けスプレー持ってきたから大丈夫」と、友人は平気な顔です。

テントは2つだったので、友人と私が1つのテントで、友人の旦那様はもう一方のテントで寝ました。私は熊のことが気になって寝付けなかったのですが、友人は軽いいびきをかき始めました。

「肝が据わっている」とはこういうことなのだな、と改めて感心しました。

ひょうたん形の湖でレインボートラウトを釣ってご満悦

よく朝目覚めると、熊被害は無かったようで大いに安心したのを覚えています。

軽い朝食をとったら目の前の湖にGo!! ということで友人の旦那様が1人乗りゴムボートの乗り方を指導してくれました。

渓流釣りは以前すこしやっていたのでウエーダーの履き方や釣り竿の使い方などは大体分かるのですが、毛ばりを付けるとなると記憶が定かではなかったので手伝ってもらいました。

カナダでは釣りをするのに許可証が必要ということと、州や魚種によっては「返し」が付いた針を使ってはいけない、という規則があることも知りました。釣り針の「返し」は魚の口元を傷つけてしまいます。

「返し」有りの毛ばり
「返し」無しの毛ばり

オカナガン州の淡水で、トラウトを釣る際は「キャッチ&リリース」が基本とのことでなるべく傷を付けないで魚を水に返さなければいけません。

Elena

そのような対策のお陰か、日本で釣った時よりもカナダの方が
圧倒的に釣れたように思います。

(カナダでは友人の旦那様という強力な師匠がついていたのと、別の日に川釣りしたときは有料の釣りガイドを付けたからかもしれませんが・・・)

カナダで初めて釣ったレインボートラウトのアタリは最高だった

1人乗りボートはフィンを履いた自分の足を動かして移動しますが、写真のような感じで私はとても喜んでいます。

今まで様々な楽しい経験をしてきましたが、この時間は思い出に残る最高のひと時であることは間違いありません。

「返し」が無い毛ばりを使っての釣りは初めてでした。魚がかかった後は、釣り糸のテンションを緩めないようにするのが魚を逃がさないコツだと友人の旦那様に教えていただき、その通りにしたところ最初の一匹が釣れました!

アタリが来た時の感触、釣りあげるまでの魚との対峙する時間、たも網の中に魚を誘導、そして美しく虹色に輝く人生初のレインボートラウトをこの手に収めたときの感動は今でも忘れられません。

Elena

I love fishing!!

こんな素晴らしい体験をさせてくれた友人夫婦には感謝しかありません!

1人乗りゴムボートが風で流されてキャンプ地の向こう側に流れ着く

3匹くらいレインボートラウトを釣った後から風が強くなってきました。

フィンを動かしても風に押されてキャンプ設営場所からどんどん遠くに流されてしまいます。仕方がないので流れに身を任せ、ちょっと遠くの岸にに辿り着き、ゴムボートとフィンを担いで友人夫婦が居る場所まで歩こうとしました。

釣りをしていた湖はひょうたんの形をしていて、キャンプ設営値はちょうどひょうたんのくびれ部分に位置していました。私が漂着したのはひょうたんの端でしたが、それほど距離も無いので30分も歩けば辿り着くと計算していました。

湖畔に沿って歩けば迷うはずもない、と考えていたのですが途中で湖に沿った道が茂みで覆われて通れなかったので、少し逸れる道に入りました。何度思い返しても、道はそこしかなかったと思います。

私としては少し湖から逸れるけど「少し大回りしてまた湖に戻れるはず」と思っていました。ところが実際はだんだんと湖から遠ざかって行ったのですがそれに気づいていませんでした。

キャンプ設営地に戻れずゴムボートとフィンと釣り竿を担いで途方に暮れた

片手にはゴムボート、もう一方の手にはフィン一式と釣り竿を持つ形で歩き続けました。

1人乗りゴムボートといっても10Kgくらいはあったと思います。長時間担ぐとだんだんと、その重さがズシっと身に染みて疲労感が増してくるものです。しかも、腰まで水につかって釣りをするためのウエーダーを履いていたので、いくら涼しいカナダでも汗ばんできます。

釣り用の麦藁帽を被っていたので日よけにはなったのですが、それすらも重たいと感じるほど歩いたように思います。太陽がだんだんと傾いてきました。行けども行けども湖に戻れなくてだんだんと不安が増してきました。

太陽が高かった時には湖の周りをオフロードバイクがエンジン音うるさく走り回っていたのに、その音も止みました。途中ですれ違った車に助けを求めようと思ったのですが、シャイな私は車を停めることができませんでした。

1台が通り過ぎた後、次の車が来たらその時は絶対に助けを求めようと決心したのですが、それ以降車は通らず、本気で心配し始めました。

ヒグマとピューマが生息する山で迷子になり猛獣除けのために大声で叫んだ

だんだんと太陽が傾いていきます。

そういえば、友人が「この山にはヒグマとピューマが居るから気を付けてね」と言っていたのを思い出しました。

ピューマ
ヒグマ
Elena

「気を付けてね」といわれても本当に遭遇したらどうするの!?

今まさに非常に危険な状態じゃないか!と不安になり、釣りキャンプに来る数日前に友人が自宅の近くの国立公園に連れて行ってくれた時のことを思い出しました。

その時も「この公園にはヒグマが居るから声を出しながら歩こう」と言われて、大声で「エ~ィ、オ~ゥ」のように叫びながら歩いたのです。

国立公園を保護する職員(パークレンジャー)が見回りをしていてヒグマなどが出たら助けてくれるとのことでした。

でも、こんな山奥にはレンジャーも居ないし困った私は、猛獣の方から避けてくれることを祈りながら大声で友人の名前を読んだり、「Help me~~~!!!」とバージョンを変えながら歩き続けました。

山々の尾根に太陽の光が黄金色に反射した光景が天国のようだった

歩き続けること1時間、三叉路に辿り着きました。

今まで背後に森林があり、目の前は開けたような場所を歩いてきたのですが三叉路を抜けたところで山の尾根全体が見渡せるような場所に出ました。夕方の4時くらいだったかと思いますが、太陽の光が延々と続く山の尾根に反射し、まるで黄金の畑のように見えました。

「風の谷のナウシカ」の最後のシーンで「その者青き衣を纏いて金色の野に降り立つべし」と大ババ様の言葉がふと浮かぶほど、この世のものとは思えないほどの素晴らしい光景でした。

写真撮影などする余裕もないほど焦っていたのでお見せできないのが残念ですが「天国とはこういうものか」と思えるような光景でした。

この数分間だけ猛獣のことを忘れられたので幸せな気持ちになりましたが、日も沈みつつありここからどうするかを決めなければなりませんでした。

結果的に山頂に戻る選択をしたことが正しかった

もう憔悴しきっていたので重たいゴムボートをその辺に置いておき、身軽になって歩き続けようかと思ったけども、友人の旦那様が私の為に、旦那様の友人から借りてくれたものなので置いてはいけない。

しかもゴムボートは10万円くらいの価値があるらしいので、弁償もしなければならないと考えるとやはり置いてはいけない。友人の車で後で取りに戻るとしても、場所が分からなくなる可能性もあるし、その間に盗まれるかもしれない。

色々考えた結果、やっぱり担ぐしかないと思い腰を上げました。遠くの方に牛舎のような小屋が見えますが、恐らく牛は飼っていないようで、かなり遠いけどその小屋で一夜を明かさせてもらおうと思ったけど、ヒグマならそんな小屋など一撃で壊されてしまうよね、、、とかいろんなことを考えました。

が、やはり来た道を戻った方が良いし、湖は山の頂上にあったはずなので上を目指すことにしました。私はそもそも方向音痴なのですが、どういうわけか2歳くらいから迷子になっても自力で家に戻ってきたというエピソードを親から聞いていました。

今回も必ず元の場所に戻れる!と信じて大声で叫びながら山の上を目指しました。途中、近道をしようと木々が生えて斜面を登りました。

山頂に辿り着いたと同時に友人の車と遭遇し再会を果たした

不安と重たいゴムボートなどを抱えながら山の斜面を登っていくと、頂上に出たらしく見覚えのある道に辿り着きました。

しかも、その道の向こう側には釣りをしていた湖が見えたのです。その時の喜びは言葉では言い表せません。道なりに歩いていくと前方から車のライトが近づいてきました。もう薄暗くなっていたのです。

そしてその車はなんと友人夫婦が乗ったジープだったのです!

私の前で停車し、友人が下車して駆け寄ってきてくれました。友人は私が居なくなってから探し回ってくれていたとのことで、泣きじゃくりながら「もう会えないかと思った。」といい、もし何事かが起こったらどうやって私の親に謝罪しようかと本気で考えていた、と言いました。

そんなに心配させて本当に申し訳ない気持でいっぱいになり、同時に友人に会えた安心感で私も涙が出ました。

体力消耗した状態で知らない土地で迷うと判断力が鈍る

あの三叉路に突き当たった時、もと来た道を引き返して山頂に登るという選択をしていなかったら、どうなっていたんだろう、、、と思いを巡らせることがあります。

それにしても、釣りをしていた場所は山頂にあると分かっていたのにどんどん下り続けるなんておかしい、とどうしてもっと早くに気付かなかったのだろう? 恐らく、湖からちょっと脇道に逸れるけど、大回りをすればまた湖に戻れるだろうという思い込みがあったのだと思います。

疲れると頭が働かなくなるし、全く知らない土地で焦りもあり、もそもと無い方向感覚が更に狂って正常な判断ができなかったのかもしれません。普通に考えれば絶対に行かないであろう道に行ってしまったのはどうしてだろう?と今でもキツネにつままれたようで解明できません。

「山で迷ったら沢を下るな、尾根に出ろ」という鉄則を後で知った

山での遭難事故のニュースを見聞きするたびに、「山で迷ったら沢を下るな、尾根に出ろ」という鉄則を音声や文字を使って注意喚起していますが、自分が実際に経験するまで全くスルーしていました。

一歩間違えれば黄金色に輝く山々の尾根に吸い込まれるように天国への階段を上っていたか、猛獣に食い殺されていたかもしれない、と思うと今でも身震いがします。

Elena

山に登る人は「山で迷ったら沢を下るな、尾根に出ろ」という
鉄則を知っておくだけでも命が助かるかもしれません!

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