そうだ、観音寺で泊まろう!
11月1月7日(土)
娘から10日(火)に所用で観音寺に行くと聞いた時、ある考えが浮かんだ。
観音寺で泊まり、このところTVでも取り上げられるようになった“天空の鳥居”のある高屋神社に行ってみたい。
「父母ガ浜」と共に以前から気になっている場所だ。
先の高知の旅で、じゃらんから付与された2,000ポイントも使いたいし・・・
Go To トラベルキャンペーン、Go To Eat キャンペーンを利用するのは言う迄もない。娘に提案すると、即、OK!
私は、生憎その日は趣味の習い事があるので、今回も高知の旅と同様ばらばらの出発となる。
早速、じゃらんで観音寺のホテルの空きを調べて、「ホテル シェ・トワ観音寺」が良さそうだね」という事になった。
そうだ、今、香川県」では「うどん県、泊まってかがわ割」というキャンぺ-ンを展開している。
【うどん県、泊まってかがわ割】とは
新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ
旅行需要の早期回復を目的に、香川県に宿泊 する旅行商品等を香川県が予算の範囲内でそ の代金を割引く制度です。四国、中国地方 9県の在住者対象 |
一人当たりの宿泊代金 | 割引額 |
¥3,000~¥5,999 | ¥1,500 off |
¥6,000~¥9,999 | ¥3,000 |
¥10,000~¥13,999 | ¥5,000 |
¥14,000以上 | ¥7,000 |
税金サービス料込の宿泊代金(¥11,660)から「Go To トラベルキャンペーン」の35%(¥4,081)を引
いた金額(¥7,579)に応じての割引(¥3,000)を差し引くと、¥4,579になる。
ダブルの割引とは、嬉しい!
ところが、じゃらんの「かがわ割」の予算枠は既に売り切れていた。ホテルの方の枠はまだ残っていたので直接予約する。
すると「かんおんじ割」(正式名称は「来てみてGoかんおんじ宿泊等促進キャンペーン」)という割引が有ると教えてくれた。
【来てみてGoかんおんじ宿泊等促進キャンペーン】とは
令和2年8月1日(土曜日)から令和3年3月31日(水曜日)までの間に
観音寺市内で宿泊(飲食)等するとキャッシュバック!!
(1)宿泊費 2,000円、飲食費 1,000円(市内に宿泊し、市内で1,000円以上の店内飲食をした場合) <1人1泊当たり> |
※但し、1,000円以上の店内飲食をした場合であっても、地域共通クーポン券利用で精算した場合は、助成対象外です。 |
(2)雲辺寺ロープウェイ運賃(1,000円を超えた額を還元) <1人当たり> |
トリプル割引だ!宿泊費が更に一人当たり¥2,000安くなる!
引き算をすると・・・11,660-4,081-3,000-4,000=579
何と二人で、たった¥579で泊まれることに!
その上、¥2,000の地域共通クーポンをもらえる。これは夕食の支払いに充てる。
それに、雲辺寺のロープウエイの料金は、一人往復¥2,200のところ、¥1,200の割引があるという。
雲辺寺へまだ一度も行ったことのない娘の為に、足を延ばしてみよう。!!
頂上に「天空のブランコ」なるものが出来ていて、インスタ映えすると話題になっているらしい。 | 私は、雲辺寺に何度か足を運んだことがあるが、このブランコは知らない。お山のてっぺんでブランコに乗って、“映える”写真を撮ってもらおう! |
よし!これで大体の計画が出来た。
そして、二人ばらばらに観音寺へ向かう
11月10日(火)
習い事のクラスが終了し、16時20分に車を出す。娘は既にホテルにチェックインしていた。高松西インターから高速道路に乗る。西日が眩しい。高速道路を運転するのは何年振りだろう?緊張が走る。
雲一つない空に、真っ赤な夕陽がゆっくりと沈んで行く。こんな日は、もしも大潮なら、父母ガ浜ではウユニ塩湖のような風景が見られるだろうに・・・。大野原インター迄は30分程の距離だが、随分長く感じる。インターを降りる頃には、既に暗くなっていた。
「ホテル シェ・トワ観音寺」は、新規オープンのホテルで、広い駐車場が殆ど埋まっていた。ルームキーをかざさなければ、エレベーターが開かないし、中の様子がモニターに映し出されていて、セキュリティは万全だ。
部屋で一息入れるのもそこそこに、予約をしているレストラン「遊食房屋」に向かった。疲れている時は和食が良い。
お通しは断れるか?
<話は変わるが・・・>
先日、Go To Eat キャンペーンで付与されたポイントを消化するために、或る居酒屋に行った。特に美味しくもない何だか訳が分からないようなお通しが出され、二人で¥700取られた。
※写真は高知の居酒屋「呑」のお通し(二人で¥800)
お通しって一体何なの?
何か釈然としない。そんな細かい事を・・・と思われるかもしれないが、疑問に感じた事をそのままに出来ない。
そこで、調べてみた。お通しとは・・・
お通しとは、居酒屋などの料理屋で席について注文したときに、注文した料理が出されるまでの間に「つなぎ」として出される酒の肴になるような簡単な料理のことを指す。日本独特の商慣習と言うか、食文化と言うか、料理が出てくるまでの間、客を手持無沙汰にさせない為の「おもてなしの心」でもあると書いてあった。
その説明なら、サービスでは?と思う。値段の明記が無ければサービスと勘違いする。だから会計の時に、不意打ちをくらう羽目になる。
この点について、お酒を呑む人であっても、実に多くの人が同じ疑問や不満を感じていると知った。
この疑問に対して、或る弁護士が「厳密にはお通しが有料であるという商慣習が成立していないので、お通しの代金を支払う義務は発生しないと言うのが法律の解釈である」と答えていた。
そっか!断る事も出来るんだ!そこで、今度お通しを断ってみようという話になった。
<ここで、元の「遊食房屋」の話に戻る>
想定外のシチュエーション
遊食房屋は和食の店で、県内に何店舗か出店している。ランチでは時々近くの店を利用するが、」夜の利用は一度もない。「もしかして、お通しが出るかもね・・・。注文する際に、断ってくれる?」と、気の弱い私は、物怖じしない娘にお願いした。娘は「任せて!」と気を吐いた。
意気込んで乗り込んだものの、案内された部屋のテーブルの上には、既に二つ、小さな小さな器に入ったお通しが用意されていた!
(えぇ~!!)出鼻を挫かれた!
係の女性が注文を聞いて去った後、娘が「想定外のシチュエーションで、何も言えなかった」と悔しがった。予約を入れておいたので事前に用意していた訳だ。
“言うは易く行うは難し”だ! (笑)
「これは気遣い?」「でも、先に出されても飲み物が無いし・・・」「やっぱりお通しは飲み物と一緒の方が良いよね」「では、これは飲み物が来るまでの間、目で楽しんでおいてねってこと?」「まぁ、これも「つなぎ」ってことに解釈する?(笑)。そもそも、お酒を呑まない私に酒の肴は不要なんだけどね・・・」などと、二人でお通し談義。注文した料理は、おいしくいただきましたよ、念の為。あ、そうそう、ここのお通しは二人で¥600でした。
三度目の正直
11月11日(水)
少し雲はあるが、良い天気だ。朝食を済ませて高屋神社へ向かう。ナビに従って走行すると、とんでもない場所に案内された。そこに神社はあるが、全くの平地で山の影さえない!
娘がグーグルマップで高屋神社を検索。今度は山に向かっている。だが、案内されたのは高屋神社の下宮の駐車場だった。はるか上方に鳥居が小さく見えている。ここから山道を登り、更に270段の長い石段を登らないといけない。脛の手術を受けた私にはとても無理!車で直ぐ近くまで行ける筈なのに・・・文明の利器も全面的に信用できない。やっぱり地図で確認するのが最も確実な手段かも。
かなりロスをしたが、今度は間違いない。標高404メートルの稲積山のくねくねとした狭い山道を登ってゆく。対向車とすれ違うのは冷や汗ものだ。高知の安居渓谷へ向かう道を思い出した。然しこちらには勾配があるし、普通車だし、もっと大変だ。
神経を尖らせて運転しているのに、傍らで娘がラジオをつけた。彼女の好きな五月蠅い洋楽を聞こうとしたので、思わず「止めて!」と声を荒げた。「無神経やな!」「一体全体、なぜ後期高齢者の私が運転しないといけないの?」と問うと、「だって、お抱え運転手だから」と冗談半分に答える娘。
そう言えば、二人で出かけるときは、大体いつも私が運転している。(高知でレンタカーを借りた時には、契約者である娘が運転したけどね)。この構図は釈然としない。(でも、この年でたまに運転するのは返って危険かもね)。という訳で私の運転は続く。
高屋神社と天空の鳥居
やっと頂上近くの駐車場に着いた。県外ナンバーの車もチラホラ。すっかり有名になってるみたいね。上から降りてくる人に「神社はまだ遠いですか?」と尋ねると、「直ぐですよ」との返事。そして、「杖を持って行った方が良い」と、持っていた竹の杖を渡してくれた。駐車場に備えてある杖だそうだ。
成程、杖があって良かった。勾配がきつい。途中にある歌碑を読んでは一休み、展望台から父母ガ浜方面の遠景を眺めては一休みしながら登る。
その坂道を右に折れると、下から続く石段に出た。下界を見下ろすように白い大きな鳥居がすっくとそこに立っていた。観音寺の市街と穏やかな瀬戸の海が、眼下に広がっている。正に「天空の鳥居」だ。その空と海の青が白い鳥居を際立たせ、より神聖なものに感じさせる。夕焼けを背にした鳥居も又、感動ものだろう。只、人が多くて・・・無人の写真は望めない。
そして、一段高い場所に高屋神社が鎮座している。マスク無しで屈託なく普通の生活を送れる日が早く来ますようにと祈った。
ところで、この神社は霊験あらたかで、ここにお詣りした後、市内のチャンスセンターで宝くじを買うと、よく当たるらしい。実際に高額当選者が出ている。折角のチャンスだが、時間がない。でも、何か良いことがあるかも・・・。
不動の滝の真偽、そして12時の虹
登ってくる車が多く、又、冷や汗をかきながら元のくねくねとした山道を降りる。途中で分岐して「不動の滝」に向かう。一度もこの滝を見たことのない娘の為に!
高さ50mの絶壁を、ほぼ真っすぐに流れ落ちる美しい滝。弘法大師が修行の際、この岩に不動の像を刻んだことに因んでこの名がついたという。娘は初めてだが、私は春、夏、秋と三回ほど訪れたことがある。いつ来ても美しい。が、この滝がどうやら人工の滝らしいと聞いていた。
散策に来たという老齢の男性が声を掛けてきた。「あなた達に言いたい事がある」「はぁ?」「あの山肌を見てごらん。何時崩れてもおかしくない。だから、近づいてはいけないよ」と、“老爺心”のアドバイス?そう言われれば、確かに脆い感じの山肌ではある。私と余り歳が変わらないと思われるこのオジイサン、面白い人で、漢字のパズルや数字のパズルを出してきた。人工の滝の真偽を確かめると、水を循環させていると教えてくれた。
昔は大雨の時には滝が流れていたとか。考えてみれば、雨の少ない香川県の海辺のこの低い山からこんな大量の水が落ちてくることが不思議であろう。然し、人工の滝であっても、景観の一部として何ら違和感がない。むしろこの滝を中心に周りの公園が整備されている感がある。
近づかない方が良いと言われたが、手前のお堂から少し登って、滝壺の前に架けられた橋まで行ったみた。上から落ちてくる水が、岩に当たって砕け散り滝壺に流れ込む様は人工ではない。只、美しい!
と、その時、曇ってきていた空が急に晴れて、目の前に小さな虹が現れた! 先の高知の旅で、中津渓谷の雨竜の滝の2時の虹を見逃しただけに、二人共小躍りして喜んだ。高屋神社の御利益かも! 二人で、この虹を“12時の虹”と命名した。
「かなくま餅福田」の期間限定メニュー、「白みそ餡餅雑煮うどん」
以前から行ってみたいと思っていた 観音寺では有名なうどん屋、「かなくま餅 福田」が丁度近くにあった。
雲辺寺ロープウェイ
お腹がおきた(さぬき弁で膨れたの意)ところで、いよいよ雲辺寺に向かう。
進路を南に採り、昨夜の「遊食房屋」の前を通過。国道377号線に出て西に折れた。前方左手の奥に高い山が見えている。あれが雲辺寺山だ。雲辺寺山は、香川県と徳島県にまたがっている。つまり県境まで行くと言う事だ。
ようやく雲辺寺ロープウェイ麓駅に着いたが、13発20分発のゴンドラが出たところだった。先ずは、切符を買う。ロープウェイは20分間隔で運行されている。
前述のとおり一人¥1200の割引があるが、所定の用紙に領収書を張り付けて、観音寺市へ送付すれば還元してもらえる。
この駅舎の横に、登山口がある。
雲辺寺ロープウェイは、全長約2,600m、山麓駅から山頂駅の高低差約660mを毎秒10mというスピードで山頂に到着する日本最大級の規模を誇るロープウェイです。 定員101名のスイス製のゴンドラの窓越しからは三豊平野、瀬戸内海をはじめ中国地方、そして本州と四国を結ぶ瀬戸大橋の偉容も一望できるという大パノラマが楽しめ、約7分間の空中遊泳はスリルとスピードが体験できるすばらしさです。 |
13時40分出発。ふわっと浮くような感じでゴンドラが動き出すと、乗客はみんな窓にへばりついて、ドーナツの如く真ん中に空洞が出来ている。若い女性のガイドさんが説明してくれるって珍しい。無味乾燥なテープの案内と違って、なかなか趣がある。
ゆっくりと上がるにつれて、ガイドさんの説明通り、観音寺市や瀬戸内海、燧灘や荘内半島が目にに入ってくる。瀬戸大橋まで遠望出来たのには驚いた。素晴らしい眺望に感嘆の声が!途中で、赤いゴンドラとすれ違った。これも絵になる。山頂に近付くに連れて木々の紅葉が目立ってきた。山頂はとっくに紅葉しているのだろう!
標高911m、紅葉の四国霊場第66番「雲辺寺」
寒い!!山頂駅の外の気温は6度!地上との気温差は13度!
山頂は標高927mもあるのだから、寒い訳だ。上に一枚羽織ってきたが、もう少し厚手の物が良かったかな。
でも、歩けば温まるだろう!
可愛い駅舎を出ると、「お迎え大師」が迎えてくれる。以前来た時は、紫陽花がいっぱい咲いたこの道を進み、山頂の毘沙門天展望館から360度のパノラマを楽しんだ。先ずは、雲辺寺にお詣りする為に左手の道を進む。
道沿いに等身大の五百羅漢像がずらっと並んでいる。お釈迦様の弟子である五百羅漢像に見守られながら歩を進める。
羅漢さまの表情は種々多様で、喜怒哀楽だけでは言い表せない。一体一体じっくり拝見したいところだが、時間が足りない。赤や黄色に染まった木々を愛でながら、雲辺寺に向かう。
【雲辺寺】 雲辺寺は標高911メートル、四国山脈の山頂近くにある霊場で、四国霊場中最高峰に位置する。徳島県三好市にありながら、四国八十八箇所霊場としては香川県の第1番札所になっている。弘法大師が刻んだといわれる秘仏「千手観音菩薩像」が本尊としてまつられ、およそ1200年の歴史がある。 |
茄子の形のおみくじ入れ 厄年が刻まれた茄子の形の石碑
どうして茄子の形・・・? それは本堂の脇に茄子をかたどったブロンズ製の腰掛「おたのみなす」に因んでいる。
「おたのみなす」とは、
なすは、「成す」に通じ、また「親の教えとナスビの花は千に一つの無駄もない」という格言から、これに座って「お頼みなす」と願をかければ、願いが叶うとされている。
「寒くなって来た!もう帰ろう」と娘に言われて、時間を確かめると15時少し前だ。「15時発のに乗ろう」という事で、急ぎ山上駅まで戻る。
おたのみなすにも天空のブランコにも腰掛けずに帰ることに。でも、風邪をひいては意味がない。駅舎にはストーブが焚かれていた。外の温度計は、7度と表示されていた。1度高くなっても、寒さに変わりはない。
下界に戻ると、駐車場の車は太陽の熱で温められ中は温室のようだった。
ほ~~っ!
娘が小腹が空いたと、「かなくま餅」を取り出した。私の知らぬ間に買ってくれていたんだ!小ぶりの餡餅で、もう一つは草餅だ。口に入れると、甘さ控えめで、とろけるように柔らかい。これは絶品!
たまにスーパーで買う餡餅とは一味も二味も違う。これも、星五つだわ。
お陰でこんなに美味しいお餅を味わえたと、娘に感謝!
お抱え運転手
「帰りは運転してよ」私の依頼に、娘は「O.K」と気軽に引き受けてくれた。私は連日の運転でくたびれている。でも、娘の運転に気を抜くことはできない。やっと国道11号線まで出た。急ぐことはないので一般道を走ることに。後は、この道をひたすら東に進むだけ。只、観音寺市は香川県の西端なので、ここから家まで1時間半はかかるだろう。
少し眠りたいが、娘も眠いと言う。(あてにしてるのに・・・)コンビニのコーヒーを飲んでも眠気を払うことができない。そのままコンビニの駐車場で仮眠を取る。
「さぁ、もうひと頑張り!」と声を掛けるが、娘は夢うつつ。結局、後期高齢者のこの私は、娘のお抱え運転手なのだ。しかし、喧嘩しながらも楽しい小旅行だった。これから先も、娘との弥次喜多道中が続くことを願う。(但し、早晩、お抱え運転手の役は、娘と交代する日が来るだろう)家が近づいた頃に、娘が目を覚ました。やれやれ!
後日談
お通しについて、それでもまだ、もやもやが残っていたので更に調べてみると・・・
或る記事には、もともとは「おもてなしの心」から生まれたお通しも、現在では「席代」「チャージ料」の意味として出されていることが多い。相場はおよそ300〜500円ほどで、会計額の1割程度になる事が多いとある。
ナ~ルホド、やっぱり場所代だった訳ね!
- 一品料理として出される店(拒否できる)
- 席料(所謂テーブルチャージのこと)」として出される店(拒否できない)
- サービス料(所謂チップのこと)として出される店(拒否できない)